🐶犬のフィラリア薬・ノミダニ薬まとめ｜種類・特徴・選び方のポイント

気がつけばもう5月。だいぶ暖かくなり、少し暑いなと感じる日も出てきましたね。

私が勤務する病院でも、お散歩中にマダニをくっつけてきてしまったワンちゃんがちらほら…🕷️

皆さんの動物病院でも、ノミ・マダニに関して、もしくは予防薬に関して飼い主様にお話しされることが増えてきたのではないでしょうか？

最近では薬の種類も豊富になってきて、どれを選択すればいいのか悩まれる飼い主様も多く見られるようになりました💊

飼い主様もわんちゃんも安心して寄生虫予防を進められるように、その子の体質・性格・好みを把握して適切なものをアドバイスしてあげましょう😉

フィラリア予防薬

食べるタイプ

①カルドメックチュアブル（おやつタイプ）

月に1回投与

有効成分
　イベルメクチン
　パモ酸ピランテル

効果効能
　フィラリア
　犬回虫
　犬鉤虫

注意点
　離乳前の子犬NG
　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり
　牛肉使用のため、牛肉アレルギーの子は注意

②イベルメック（おやつタイプ）

月に1回投与

イベルメックはカルドメックチュアブルのジェネリック医薬品のため、有効成分や効果効能はほぼ同じ！

有効成分
　イベルメクチン
　パモ酸ピランテル

効果効能
　フィラリア
　犬回虫
　犬鉤虫

注意点
　離乳前の子犬NG
　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり
　牛肉使用のため、牛肉アレルギーの子は注意

③ミルベマイシンA（錠剤タイプ）

月に1回投与

有効成分
　ミルベマイシンオキシム

効果効能
　フィラリア
　犬回虫
　犬鉤虫
　犬鞭虫

注意点
　生後2週齢未満の子犬NG
　体重2.5kg未満の子NG
　コリー犬及びその系統の犬種は安全域が狭いため用法・用量を厳密に守ること（通常投与量での安全性は確認済み）

④モキシハート（おやつタイプ、錠剤タイプ）

月に1回投与

有効成分
　モキシデクチン

効果効能
　フィラリア

注意点
　離乳前の注意点
　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり
　牛肉使用のため、牛肉アレルギーの子は注意

フィラリア予防薬（食べるタイプ）まとめ

	カルドメックチュアブル	イベルメック	ミルベマイシンA	モキシハート
有効成分	イベルメクチン パモ酸ピランテル	イベルメクチン パモ酸ピランテル	ミルベマイシンオキシム	モキシデクチン
効果効能	フィラリア 犬回虫 犬鉤虫	フィラリア 犬回虫 犬鉤虫	フィラリア 犬回虫 犬鉤虫 犬鞭虫	フィラリア
特徴・注意点	離乳前の子犬NG コリー犬及びその系統の犬種は慎重投与 牛肉使用のため牛肉アレルギー注意	カルドメックチュアブルのジェネリック 離乳前の子犬NG コリー犬及びその系統の犬種は慎重投与 牛肉使用のため牛肉アレルギー注意	承認上の年齢制限はないが、生後2週間以上で安全性を確認済 体重2.5kg未満NG コリー犬及びその系統の犬種は通常投与量での安全性は確認済み	離乳前の子犬NG コリー犬及びその系統の犬種は慎重投与 牛肉使用のため牛肉アレルギー注意

注射タイプ

①プロハート

年に1回投与

有効成分
　モキシデクチン

効果効能
　フィラリア

注意点
　生後6ヶ月未満の子犬NG（大型犬は生後8ヶ月以降、超大型犬は生後10ヶ月以降にしようすること）
　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり
　冷蔵保存（2〜5℃）
　懸濁後8週間以内に使用すること
　注射部位の腫脹が見られることがある

ノミ・マダニ予防薬

食べるタイプ

①ネクスガード（おやつタイプ）

月に1回投与

有効成分
　アフォキソラネル

効果効能
　ノミ
　マダニ

注意点
　8週齢未満の子犬NG
　体重1.8kg未満の子NG
　発作持ちの子は慎重投与
　大豆蛋白、とうもろこしデンプン（コーンスターチ）アレルギーの子は注意

②クレデリオ（錠剤タイプ）

月に1回投与

有効成分
　ロチラネル

効果効能
　ノミ
　マダニ
　イヌニキビダニ

注意点
　食事と一緒、または食後30分以内に投与すること
　生後8週齢未満の子犬NG
　体重1.5kg未満の子NG
　妊娠中・授乳中NG
　豚肉使用のため、豚肉アレルギーの子は注意

③ブラベクト（おやつタイプ）

3ヶ月に1回投与

有効成分
　フルララネル

効果効能
　ノミ
　マダニ
　イヌニキビダニ
　イヌセンコウヒゼンダニ

注意点
　生後8週齢未満NG
　体重2kg未満の子NG
　豚、とうもろこし、大豆アレルギーの子は注意

④シンパリカ（おやつタイプ）

月に1回投与

有効成分
　サロラネル

効果効能
　ノミ
　マダニ
　ミミヒゼンダニ
　イヌニキビダニ
　イヌセンコウヒゼンダニ

注意点
　生後8週齢未満NG
　体重1.3kg未満の子NG
　豚、とうもろこしデンプン（コーンスターチ）、小麦アレルギーの子は注意

ノミ・マダニ予防薬（食べるタイプ）まとめ

	ネクスガード	クレデリオ	ブラベクト	シンパリカ
有効成分	アフォキソラネル	ロチラネル	フルララネル	サロラネル
効果効能	ノミ マダニ	ノミ マダニ イヌニキビダニ	ノミ マダニ イヌニキビダニ イヌセンコウヒゼンダニ	ノミ マダニ ミミヒゼンダニ イヌニキビダニ イヌセンコウヒゼンダニ
特徴・注意点	8週齢未満の子犬NG 　体重1.8kg未満の子NG 　発作持ちの子は慎重投与 　大豆蛋白、とうもろこしアレルギーの子は注意	食事と一緒、または食後30分以内に投与 　生後8週齢未満の子犬NG 　体重1.5kg未満の子NG 　妊娠中・授乳中NG 豚肉アレルギーの子は注意	生後8週齢未満NG 　体重2kg未満の子NG 　豚、とうもろこし、大豆アレルギーの子は注意	生後8週齢未満NG 　体重1.3kg未満の子NG 　豚、とうもろこし（コーンスターチ）、小麦アレルギーの子は注意

付けるタイプ（首の後ろに塗布）

①フロントライン®スポットオン®ドッグ

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル

効果効能
　ノミ
　マダニ

注意点
　生後10週齢未満の子犬NG
　体重2kg未満の子NG
　塗布後2日間はシャンプーNG

②マイフリーガード

マイフリーガードはフロントライン®スポットオン®ドッグのジェネリック医薬品のため、有効成分や効果効能はほぼ同じ！

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル

効果効能
　ノミ
　マダニ

注意点
　生後10週齢未満の子犬NG
　体重2kg未満の子NG
　塗布後2日間はシャンプーNG

③フィプロスポットドッグ

フィプロスポットドッグはフロントライン®スポットオン®ドッグのジェネリック医薬品のため、有効成分や効果効能はほぼ同じ！

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル

効果効能
　ノミ
　マダニ

注意点
　生後10週齢未満の子犬NG
　体重2kg未満の子NG
　塗布後2日間はシャンプーNG

④フロントラインプラス®ドッグ

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル
　(S)-メトプレン

効果効能
　ノミ
　ノミ卵
　ノミ幼虫
　マダニ
　シラミ
　ハジラミ

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　塗布後1日はシャンプーNG

⑤マリフリーガードα

マイフリーガードαはフロントラインプラス®ドッグのジェネリック医薬品のため、有効成分や効果効能はほぼ同じ！

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル
　(S)-メトプレン

効果効能
　ノミ
　ノミ卵
　ノミ幼虫
　マダニ
　シラミ
　ハジラミ

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　塗布後1日はシャンプーNG

⑥フィプロスポットプラスドッグ

フィプロスポットプラスドッグはフロントラインプラス®ドッグのジェネリック医薬品のため、有効成分や効果効能はほぼ同じ！

月に1回塗布

有効成分
　フィプロニル
　(S)-メトプレン

効果効能
　ノミ
　ノミ卵
　ノミ幼虫
　マダニ
　シラミ
　ハジラミ

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　塗布後1日はシャンプーNG

ノミ・マダニ予防薬（付けるタイプ）まとめ

	フロントライン®スポットオン®ドッグ	マイフリーガード	フィプロスポットドッグ	フロントラインプラス®ドッグ	マイフリーガードα	フィプロスポットプラスドッグ
有効成分	フィプロニル	フィプロニル	フィプロニル	フィプロニル (S)-メトプレン	フィプロニル (S)-メトプレン	フィプロニル (S)-メトプレン
効果効能	ノミ マダニ	ノミ マダニ	ノミ マダニ	ノミ ノミ卵 ノミ幼虫 マダニ シラミ ハジラミ	ノミ ノミ卵 ノミ幼虫 マダニ シラミ ハジラミ	ノミ ノミ卵 ノミ幼虫 マダニ シラミ ハジラミ
特徴・注意点	生後10週齢未満の子犬NG 　体重2kg未満の子NG 　塗布後2日間はシャンプーNG	フロントライン®スポットオン®ドッグのジェネリック 生後10週齢未満の子犬NG 　体重2kg未満の子NG 　塗布後2日間はシャンプーNG	フロントライン®スポットオン®ドッグのジェネリック 生後10週齢未満の子犬NG 　体重2kg未満の子NG 　塗布後2日間はシャンプーNG	生後8週齢未満の子犬NG 　塗布後1日はシャンプーNG	フロントラインプラス®ドッグのジェネリック 生後8週齢未満の子犬NG 　塗布後1日はシャンプーNG	フロントラインプラス®ドッグのジェネリック 生後8週齢未満の子犬NG 　塗布後1日はシャンプーNG

フィラリア+ノミダニ予防薬

食べるタイプ

①ネクスガードスペクトラ（おやつタイプ）

月に1回投与

有効成分
　アフォキソラネル
　ミルベマイシンオキシム

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　マダニ
　犬回虫
　犬小回虫
　犬鉤虫
　犬鞭虫

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　体重1.35kg未満の子NG
　コリー犬及びその系統の犬種はミルベマイシンオキシムに対しての安全域が狭いため用法・用量を厳密に守ること
　てんかん持ちの子には慎重投与
　大豆、とうもろこしアレルギーの子は注意

②クレデリオプラス（錠剤タイプ）

月に1回投与

有効成分
　ロチラネル
　ミルベマイシンオキシム

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　マダニ
　イヌニキビダニ
　犬回虫
　犬鉤虫
　犬鞭虫

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　体重1.7kg未満の子NG
　食事と一緒に投与すること
　妊娠中・授乳中の子NG
　コリー犬及びその系統の犬種はミルベマイシンオキシムに対しての安全域が狭いため用法・用量を厳密に守ること
　てんかん持ちの子は慎重投与
　豚肉アレルギーの子は注意

③シンパリカトリオ（おやつタイプ）

月に1回投与

有効成分
　サロラネル
　モキシデクチン
　ピランテル

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　マダニ
　イヌセンコウヒゼンダニ
　イヌニキビダニ
　犬回虫
　犬小回虫
　犬鉤虫

注意点
　生後8週齢未満の子犬NG
　体重1.5kg未満の子NG
　豚肉、とうもろこしデンプン（コーンスターチ）、小麦アレルギーの子は注意

④パノラミス（錠剤タイプ）

月に1回投与

有効成分
　スピノサド
　ミルベマイシンオキシム

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　マダニ
　犬回虫
　犬鉤虫
　犬鞭虫

注意点
　生後14週齢未満の子犬NG
　体重2.3kg未満の子NG
　食事と一緒に投与すること
　コリー犬及びその系統の犬種はミルベマイシンオキシムに対しての安全域が狭いため用法・用量を厳密に守ること（通常投与量での安全性は確認済み）
　てんかん持ちの子は慎重投与
　高用量のイベルメクチンは併用不可
　豚肉、大豆アレルギーの子は注意

フィラリア＋ノミダニ予防薬（食べるタイプ）まとめ

	ネクスガードスペクトラ	クレデリオプラス	シンパリカトリオ	パノラミス
有効成分	アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム	ロチラネル ミルベマイシンオキシム	サロラネル モキシデクチン ピランテル	スピノサド ミルベマイシンオキシム
効果効能	フィラリア ノミ マダニ 犬回虫 犬小回虫 犬鉤虫 犬鞭虫	フィラリア 　ノミ 　マダニ 　イヌニキビダニ 　犬回虫 　犬鉤虫 　犬鞭虫	フィラリア 　ノミ 　マダニ 　イヌセンコウヒゼンダニ 　イヌニキビダニ 　犬回虫 　犬小回虫 　犬鉤虫	フィラリア 　ノミ 　マダニ 　犬回虫 　犬鉤虫 　犬鞭虫
特徴・注意点	生後8週齢未満の子犬NG 　体重1.35kg未満の子NG 　コリー犬及びその系統の犬種は用法・用量を厳密に守ること 　てんかん持ちの子は慎重投与 　大豆、とうもろこしアレルギーの子は注意	生後8週齢未満の子犬NG 　体重1.7kg未満の子NG 　食事と一緒に投与すること 　妊娠中・授乳中の子NG 　コリー犬及びその系統の犬種は用法・用量を厳密に守ること 　てんかん持ちの子は慎重投与 　豚肉アレルギーの子は注意	生後8週齢未満の子犬NG 　体重1.5kg未満の子NG 　豚肉、とうもろこし（コーンスターチ）、小麦アレルギーの子は注意	生後14週齢未満の子犬NG 　体重2.3kg未満の子NG 　食事と一緒に投与すること 　コリー犬及びその系統の犬種は用法・用量を厳密に守ること （通常投与量での安全性は確認済み） 　てんかん持ちの子は慎重投与 　高用量のイベルメクチンは併用不可 　豚肉、大豆アレルギーの子は注意

付けるタイプ

①レボリューション

月に1回塗布

有効成分
　セラメクチン

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　ノミ卵
　ノミ幼虫
　ミミヒゼンダニ

注意点
　生後6週齢未満の子犬NG
　投与後2時間はシャンプーNG

②アドボケート

月に1回塗布

有効成分
　モキシデクチン
　イミダクロプリド

効果効能
　フィラリア
　ノミ
　イヌニキビダニ
　イヌセンコウヒゼンダニ
　犬回虫
　犬鉤虫

注意点
　生後7週齢未満の子犬NG
　体重1.0kg未満の子NG
　妊娠中・授乳中の子NG
　投与後4日間はシャンプー、水遊びNG
　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり
　高用量のイベルメクチンは併用不可

フィラリア＋ノミダニ予防薬（付けるタイプ）まとめ

	レボリューション	アドボケート
有効成分	セラメクチン	モキシデクチン イミダクロプリド
効果効能	フィラリア 　ノミ 　ノミ卵 　ノミ幼虫 　ミミヒゼンダニ	フィラリア 　ノミ 　イヌニキビダニ 　イヌセンコウヒゼンダニ 　犬回虫 　犬鉤虫
特徴・注意点	生後6週齢未満の子犬NG 　投与後2時間はシャンプーNG	生後7週齢未満の子犬NG 　体重1.0kg未満の子NG 　妊娠中・授乳中の子NG 　投与後4日間はシャンプー、水遊びNG 　コリー犬及びその系統の犬種は神経毒性を示すおそれあり 　高用量のイベルメクチンは併用不可

まとめ

たくさんご紹介しましたが、予防薬を選ぶ上での大きなポイントは以下の通りです↓

上記の内容を主軸に、細かいところでは値段や利便性（投与回数や飲ませる・付ける負担など）との兼ね合い、シャンプーの頻度、同居犬や家族との関わり方などを踏まえて、そのご家族とわんちゃんにとって適切なものをチョイスしてあげられたらとっても素敵です✨️

予防薬に関してや、飼い主様の細かいお困りごとに関しては獣医さんもなかなか時間をさけないもの。
私たち愛玩動物看護師がその間を埋めていくお仕事ができれば、獣医さんからも飼い主様からも信頼感UP⤴⤴✨️
貢献も実感できて私たちの心も満たされます☺️

一緒に頑張っていきましょう♪